ゴリアテの憂鬱

英雄の証明のゴリアテの憂鬱のレビュー・感想・評価

英雄の証明(2021年製作の映画)
4.0
現代の情報社会において、いかに個人や組織が周囲からの見られ方に捉われ、それに執着しているか。

この作品の主人公のように、最初は英雄に祭り上げられても、何かケチがつくと、その評価は一気に奈落の底へと落ちてゆく。

日本でも誰かが不祥事を起こしたら、これまで大してその人物に関心がなかった人達までヤフコメやSNS等にウジャウジャと表れて、リンチの如く叩きまくります。
ここぞとばかりに日頃の鬱憤を晴らしているのでしょうか?

本作では、主人公が一番人間臭く、そして人間らしく感じました。
吃音の息子を見せ物にすることが許されずに息子を守ろうとした主人公だけが、他人からの評価ではなく人間の尊厳を守ろうとしていたと思います。

こんな素晴らしい映画なのに、生徒から原案をパクっていたなんて。。