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レッド・ロケットのsheのレビュー・感想・評価

レッド・ロケット(2021年製作の映画)
3.7
『フロリダ・プロジェクト』同様、カラフルな画作りに隠れて田舎の貧困層の虚しさが滲み出ているのが哀しい。しかも本作の主人公は子どもじゃなく、旬が過ぎた元ポルノ男優ってのが一層しんどいけど、そこをガチクズ男にすることで笑える方向に持っていってるのが面白い。これが善良な人間の話なら哀しくて見てられないと思う。しかもこの男、顔は良いし愛嬌もあるのでクズなのに憎めない魅力がある。人間この2つと鋼メンタルがあれば、どんな環境でもやっていけちゃうんだなぁと感心した。あの調子の良いお喋りを見てると、何か新しいことを起こしてくれるんじゃないか?ってちょっと期待してしまう、中身ペラペラ人間なのに。そりゃ17歳のストロベリーには、つまらない日常から解放してくれる大人のイイ男として映るよな〜、こうやって若い子は騙されて搾取されていくんだな…と切なくなった。
終わってから改めてポスターを見ると、なんちゅう表情切り取ってんねん!とツッコみたくなる。本当にどこまでも救いようのないクズで、呆れを通り越して笑ってしまう。身内にいたら縁切るけど。でも、小さな街で自由に自転車を乗り回して風を感じてるマイキーを見てると、不思議と羨ましくなってくる。
ストロベリーの可愛さが爆発してて頭おかしくなりそうだったし、疲れ顔のリルも、マイキーをウザがりながらも性欲だけは満たしたいレクシーも最高だった。キャスティングセンス神。ちょっと長いのがマイナスだけど、総じてショーン・ベイカー好きだわー。
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