ホーンつの

ニトラム/NITRAMのホーンつののレビュー・感想・評価

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
3.5
1996年にオーストラリアで発生した、35人殺害された無差別銃乱射事件の犯人、マーティン・ブライアントの半生を描いた作品。

この作品では、青年時期から、事件を起こすまでの半生が描かれている。
この様な凄惨な事件が起きてしまったのは、作品でも描いているが、育った環境に大きくあると思う。
マーティンは母と父の3人家族であり、母親は、しっかりしていたが、父親は甘やかしすぎるぐらい甘やかして、ほぼ育児放棄のレベルの環境であった。
たしかに、マーティンは何かしらの障害を抱えていたが、悪い事をしても、それを良しとしてしまっていた環境にもあると思う。
孤独感に苛まれ、日々、自分の無力を感じ、愛する女性も自分のせいで死んでしまって、追い討ちをかけるように、父親も自殺してしまい、とどめの母親に勘当されて絶望を感じてしまったマーティン。
そこで、ネジが外れて運命の日に向かっていくというのとになる。
色々なものが偶然重なり、この事件が起こったのだと思う。また、オーストラリアの銃社会も相まって、事件の発生が確実なものになってしまったと思う。
どんな人も、いつネジが外れるかは正直わからない。他人のネジの外れなど防ぎようがない。そのようになる要素を含まない様に生きていくだけだ。
ホーンつの

ホーンつの