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インフル病みのペトロフ家のkaoruiのレビュー・感想・評価

インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)
4.0
敬愛するドストエフスキーの作品でも爛れた饗宴の場面が必ず出てくるのだが、今作も熱に浮かれた狂乱のシーンの連続で、観ているこちらちも感染しクラクラしながら楽しく観た。ド氏が憎みながらも愛したロシア的な荒くれた品性がここでも描かれている。
巻頭のバスのシーンからやられっぱなしで女車掌?の下世話なアナウンス、乗客もどこか偏執的で、入れ歯の吹っ飛ぶおじいさんには驚いた。
浮かれながら物語は輪のように連なり、開きっぱなしの連環は緩く交差し、緩く閉じる。しばらくこの狂乱は続くのかもしれない。
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