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MEMORIA メモリアのmonaのネタバレレビュー・内容・結末

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

画角の感じで時々タルコフスキーを思い出す。
この映画自体が正体不明の轟音のよう。知らん人にいきなりでかいすべすべの石を手渡されたみたいな。重く恐ろしいと同時にどこか好もしい。反芻し、再現さえしたくなる何か。
ティルダ・スウィントンが映ると背が高いなというより「長い身体をしているな」と思う。
最後の最後まで、あの音は頭蓋骨に穴を空けられる音なのかな と思っていた。いやはや度肝抜かれました

アンテナとして何かを受信する、というのはいわゆるスピリチュアルに入れ込んだりしている人から時々聞く言葉だな。

自分にしかどうやら聞こえていないらしい音について他人に信じてもらうことをほぼ諦めている、単に精神病だと思われるかもしれないし、そもそも誰しも他者と同じようにものを感じ取ることはできない。混線したように誰かの聴覚をそのまま受け取るというのは本来起こり得ないこと、それが起きたら、それは同じ音をそれぞれの耳で聞くこととは比べ物にならない深さで相手と繋がり合うことであるのかもしれず、その邂逅を慈しんだからこそ「おかしな音が聞こえる」ことにではなく「それがどんな音であるか」に執着した、ように思える
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