seaslug70

パリ13区のseaslug70のネタバレレビュー・内容・結末

パリ13区(2021年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

官能的なテーマでめちゃくちゃ素朴な人の心の内面を描いた作品でした。もう始まってすぐおっぱい出てくるしセックスしまくるし一人でナイトショーできてて良かったわ()って思ってたんですけど、セックスに身を委ねることしかできないエミリー、セックスでしか自分を表現できないカミーユ、セックスにトラウマを感じるノラ、セックスでしか生きていけないアンバーと、4人が直接混じり合うシーンはないけどそれぞれがそれぞれの苦しみを埋め合うような、パズルのように組み合わさっていく心の凹凸がなんだか美しかったです。

セックスがテーマの作品って日本だとなかなか出しづらいから、どうしても洋画ばかりになってしまい性生活感にズレを感じてしまうのはしょうがないと思うんだけど、日本だったら多分クズとしか言われないカミーユも、フランスの社会で生きている人間としてはああいう心の闇を持った人間として受け入れてくれる人もいるんだなーって、最後のエミリーの笑顔を見て思いました。

エミリーもエミリーでそういうのに飢えてたからかもしれないけどね。目の前で他の女連れ込んでるやつが、竿姉妹だらけのパーティーに招待してきたらめちゃくちゃキモいやろって思うけど、フランスだとそんなもんなのかな?わからん。
ああいう沼っちゃう女の子って日本にもいる、というか私の友達でそういう子がいまして、飲みに行くたびにやらかした話を聞かされるんですけど、彼女らも彼女らで寂しい心を埋めてくれる存在を欲しているわけで、一概に否定できないなと。私は付き合いたくないですけどね。ピュアなので。笑

多分一番日本人的感覚に近いのがノラなんですけど、彼女は彼女でまた拗らせてるというか、そこまでいったんなら止める方がむずいやろ!ってとこで引いちゃうぐらい、過去の性生活に歪みがあってずっと引きずってるんですよね。そのトラウマを呼び起こした存在のアンバーとは逆に仲良くなっちゃうわけですし、やっぱり女の子って難しいね。
アンバーはまああれですよ、風俗嬢ならなんでもしてもいいと思ってるおっさんが見てほしいなって。知らない人にきもいこと言われたら仕事でもきもいやろって。仕事だからやれてるんだなって。

ってことで恋愛経験薄めの私ですが自分の体験と重ね合わせる、というよりは結構哲学的に考察しながら見てました。セックスなんて冷静になって見るもんじゃないんですけど、冷静に分析してこそ見えてくるものもあるわけですし、こういうテーマの映画もたまには見ておくと知見が広がるなと感じました。

ちなみに特に共感できる部分も感情移入できる部分もなかったので点数低めです。
seaslug70

seaslug70