パリ13区の作品情報・感想・評価

「パリ13区」に投稿された感想・評価

kaeru3

kaeru3の感想・評価

3.9
女性3人が、それぞれの方法で前に進んで行く感じが良かった。観ててわーっと細胞に水分が行き渡るような感覚。
特にエミリーにはワクワクした。

セックスと人の関係性も興味深かった。
音楽がめちゃくちゃ良い

中盤で一瞬眠くなっちゃったからもう一回見たい
それでも好きなシーンたくさんあったし、ラストが好きな終わり方だった

フランス映画ってどうしても眠たくなるよね
最近の新作に様々なモノクロが続くが、これは黒を基調にしたアンニュイなトーン。裸の柔らかい曲線と建物の無機質な直線が、不安定な男女のビター&スウィートな関係とマッチして見えた。PC画面内や集合住宅の窓、映画の中で四角く切り取られたフレームから拡大されてゆく個々の世界。一つの物語に改変してあるが原作はエイドリアン・トミネのグラフィック・ノヴェル短編3作。そのせいか、パリででなくてもNYや台湾やどこでも成り立ちそうだ。
祖母のアパートで間貸人カミーユを迎えたエミリー。あんなにやりまくった2人は「恋人じゃない」、施設にいるエミリーの祖母はもはや孫の顔もわからない、同居を解消したカミーユは本来教師で本物の不動産屋じゃない、パリに越してきたノラはポルノサイトのアンバー・スウィートじゃない、アンバー・スウィートは本当の彼女じゃない…じゃあ私は誰?私たちは何になれる?
宙ぶらりんな一時的関係がもつれ合いながら、本来大事なはずのものを手放した3人は自己嫌悪を抱えてる。エミリーはやけっぱちな刹那に逃げ込んで目を逸らし、ノラは真っ正直な視線で問いかける。カミーユは優しく魅力的だけどドライでもあり、そのくせ自分の小さな違和感から目を逸らせない。彼はスタンダップ・コメディを演じる妹含め、女たちの話を聞き、それぞれを通して「見る」側だ。
ルーシー・チャン、マキタ・サンバ、ノエミ・メルランとジェニー・ベス(SavagesのVo.)が繊細に雄弁な演技で惹きつけ、細部にニュアンスが読み取れる脚本が良かった。ノエミ・メルランは登場すると、それだけでドラマティックな「映画が始まった」感がするからすごいな。
今作はセリーヌ・シアマとレア・ミシウスとの共同脚本なので、ノラとアンバーの見る見られる側での結びつき方は、『燃ゆる女の肖像』のハッピーエンド版みたいだ。でもジョン・ヒューズかよ!ってエンディングは、てらいなくロマンティックな(そこが私の好きな)オーディアールらしい気が。ドアを開けてまた閉じて開けて…出会い場面へと円環するスウィートな着地だった。
shoko

shokoの感想・評価

3.6
宣伝がおしゃれ映画っぽい感じだったので、思っていた以上に性の描写が多くてびっくりした。同じタイミングで観に来ていたいくつかのカップルが、観終わった後にどういった会話をするのだろうと気になる。ただモノクロだからこそそうした描写も中和されている気がした。カミーユの存在がファンタジーで、対してエミリーの存在が生々しくてよい女優さんだなぁと思う。原作も読んでみたい。
ぺい

ぺいの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

見る人によってかなり解釈が分かれる映画だと思った。最後のインターホン越し「愛している」とか、

エミリーに人間味を感じたが、それはあのキャラクターになのか演者に感じたのかよくわからない。

ノラの気持ちはよくわからない。

カミーユは、恋愛と行為で意識の差がはっきりあって、とても映画的な人だと思った。ある意味アンリアルなレベルだと思う。
(私の感覚を超えないので外国では普通なのかも。)
予告編で聴いた劇伴とモノクロの映像に魅せられて、これはぜひ観たい!と思ってた映画。
女性のグーのパンチシーンもインパクト大でした。

『燃ゆる女の肖像』のシアマが脚本参加。
4人の男女が交差する恋愛群像劇。

主要登場人物は4人。
台湾系フランス人のエミリー(ルームメイト募集中)、
アフリカ系フランス人のカミーラ(女性っぽい名前だけど男性。教師休職中)、
田舎からパリに出てきたノラ(一念発起して30代で大学へ復学)、
アンバー (職業ポルノ・ライバー。ノラはそっくりな容貌で周囲にアンバーとして勘違いされてしまう)

思ってたよりも性描写はかなり強め。
でもそれは艶やかで喜びに満ちていて、過剰にエロくは感じられなかった。(まあ正直劇場で観ててちょっとだけは気まずかった💦)
全編モノクロの映像のなせる技なのか、4人のドラマがより鮮やかに息づいて見える。

肉欲では簡単に近づけるのに愛にはそう出来ない。
会話を通して理解が深まりようやく到達出来る感情。
ノラがあまりの至福感から倒れてしまう場面、エミリーがインターホンで話す場面は胸いっぱいになりました。
何か少し違っていたら、望むものもわからないまま物語が別の方向へ動き出すこともあったのかもしれない。

その後のキスシーンは多分モノクロだったはずだけど、自分の記憶ではなぜかカラーでキラキラ変換。
いや、たしかにモノクロだったはずだけど。
いろいろ恋愛問題児な面描かれるけど、観てるうちに登場人物が好きになってく、愛おしくなっていく映画でした。
ねーね

ねーねの感想・評価

3.4
パリの一角で孤独を貪り合う若者たちの恋愛劇。
モノクロにすることで余分な背景が消え去り、男女の剥き出しになった感情と表情だけがシンプルに画面を通して伝わってくる。
都会に生まれて都会に育った私からしたら、ふとしたときに孤独を感じて、幸せな人生を演じることで心の隙間を埋めたくなる気持ちがよくわかる。

モノに囲まれて出会いに満ち溢れて次から次へと刺激的な何かを得られる都会では、数秒前まで赤の他人だった誰かと繋がることなんていとも容易いわけで。
本質なんて知らなくても、ケータイを触ればすぐに愛のメッセージは送れる時代。
繋がったようにみえるその糸は、ほんのわずか綻んだ瞬間すぐに断たれてしまうとわかっていながら、飽きもせず繰り返すのは、現代の病なのかもしれない。

インスタントな愛は所詮インスタントだと突きつけられ傷つく人々は、滑稽にも見える。
でも、その馬鹿みたいに素直な人間らしさに愛おしさすら覚えた。
うわべだけ美しく見えても、結局はみんな「取り繕わなくてもいい、自分への無償の愛」に飢えていることがわかるから、憎めない。
そりゃそうだよね、みんな寂しいし、誰かのぬくもりを知ってしまうと、もう空っぽのベッドには耐えられない。
よくわかる。
一緒にいるのに報われない愛も辛ければ、ひとりの夜も辛いのだ。

ただ、結局のところ、どんな方法で知り合おうが、相手の人間臭さを理解しようとした瞬間に本当の愛情って生まれるわけで。
変に期待されると応えなきゃってプレッシャーに潰されるし、最初から「パーフェクトな恋」って信じちゃうと、信じてる自分を取り繕ってどんどん自分じゃなくなったりする。
みんな完璧じゃないからこそ、欠点をこれでもかって知ってくれてるほうが幸せな関係を築ける。
恋愛って、難しい。
お手軽な時代だからこそ、大事な人との深いコミュニケーションを蔑ろにせず、向き合っていきたいよね。

映画にはリアリズムを求めがちなヒネクレた私からしたら、実はパリとモノクロとセックスの雰囲気で塗り固めただけの王道ハリウッドラブコメだったのでは?って気がしてならず、なんとなくラストシーンには違和感を覚えたけど、みんな不幸せなまま終わるのも悲しいし、これはこれでよかったんだろう。

まあ、とりあえず私だったらカミーユだけはやめとけって釘を刺すけど、寂しい者同士しつこく惹かれ合ってるんだから、ある意味相性ばっちりなのかもしれないね。
Nn

Nnの感想・評価

3.6
いい。きっと横を見れば私のすぐ隣にある話だった。
だからといって「…これは私の話だ……!!」と共感し、感情移入して感動するって話でもないのが、なんだか他にない温度感。

設定とかはかなり自分に重なるんだけど
全然登場人物と私は性格が違って。
だから、友達と飲みに行ってその子の口から聞く、最近こんなことがあって、みたいな話で。
あーわかるなー、とか、んーそれはわからん、とか思いながら相槌を打って、
でもなんか今大事なこと言った気がするな?とか心に引っかかったりもして。

側から見れば淡々とした日常なんたけど、
確かにそこに本人にしか分からない感情の波があるのが分かる。
SNSでシェアされて、リツイートされて、いいねされて、共感されてっていうのが当たり前の世界の中で、
言いたいことはわかるけどなんか共感はできないって塩梅のものを作り出す
勇気っていうか、そのちょうどいい加減を責めるセンスっていうか、
そういうのを感じるわな。
私たちの日常を、あの子の日常を、友達の日常を、ぜーんぶ足して割ったらこんな映画になりそう。
キラキラしてる、恋人とうまくいってる、そういう生活ばっかりを君らは切り取ってるけど
案外平均値はこれなんだよきっとね。
寂しいと口に出すほど孤独じゃないけど、
今の人生に満足だ、幸せだなんて到底思わないし、
でもなんかこんな人生でもいいかって思えるんだけど
妥協だと言われるとムッとする。
そう、私たちがZ世代です、という感じ。

作品観てからサントラ聴くと
もうね、毎日これ聴いて出勤か退勤しますよ、という気持ちになる。 
「まるで映画の主人公みたいな」という比喩を使うことあると思うけど
この映画が生まれてしまった限り、私たちはみんな映画の主人公になれるんだよ、すごくない?
思い出すたびにやっぱり良かったなという映画だった。

冒頭のマンションの部屋の明かりや生活感が見えるシーンが好きだった。13区の良いところ悪いところが分かってよかった。

エミリーは祖母のこと大好きだったけど少しきらいだったと思う。でも祖母が死ぬ前のシーンはさっぱりわからなかった。

パリの地下鉄って汚いのだけどなんか好きなんです。あと、向き合って座るよね。

最近のフランスのドラマや映画ってこういうエレクトロニカ?シューゲイザー?系の音楽が多いんですかね...(Alice et Moiは最高)エミリーの歌声も良かったな。

アンバーとノラの関係に目がいくひとは多いと思うのだが、すれ違ってすれ違ってやっと通じ合ったエミリーとカミーユがわたしは大好きだった。みんな幸せになってほしい。

あとエミリーが部屋にいるときイラッとしてputain!と言ったのですが、聞き取れて嬉しかった。意味は「クソ!」です。
yuri

yuriの感想・評価

4.5
キエエエエエエエエ 結局カミーユみてえな男が好きなので自分がエミリーになれないノラってことに気付いて帰り路爆音でサントラ流しながら帰宅してる

ちなみにこの映画が艶かしいとかいうレビューに同意しかねる。
もっとカジュアルな親密さというかアデル、ブルーは熱い色的エグみのある性描写ではなくてその真逆のチープで形式的なセックスがめちゃくちゃよかった。music video 的な感じの
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