若大将オーウェン

わたしは最悪。の若大将オーウェンのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
4.0
「わたしは最悪。」というタイトルを見て、「俺は最高。」と言いたくなったが、そう言える男性性に対する批評性も感じる

めちゃくちゃ当たり前のこと書きますが、男性と女性で子供を身籠るかどうかは決定的な性差で、人生に大きく影響するんだなと改めて思いました

個人的に一番グッときてしまうのはバカ猫ギャグ漫画を描いている男性なんですが、彼が主人公なら男に都合が良いようにも思えるし、かといって「わたしは最高。」だと自分探しをした女性が傷ついてまた少し開かれるという何度もこすってきた印象にもなりかねません。

なので絶妙なバランスが素晴らしい作品だと思います。そもそも何が起きるわけではないエッセイ的な映画にも関わらず、特に主人公に感情移入するわけでもないのにずっと見てしまいます

なんか色々書いたけど、普通に見てるだけで楽しいと思えるタイプの映画です。ラスト直前ぐらいは主人公が停滞してるから映画も停滞していた気がしましたが

また30にもなって自分探しとも言われますが、「マティアス&マキシム」「フェアウェル」「くれなずめ」などなど主人公が30で自分探しする映画は最近多い印象です

40にもあるだろうし、50にもミドルエイジクライシスとかあるので人間は割とずっと自分探しをするのかもしれません

本作のポスターに「愛してるけど、愛してもいない」と書いていて瞬間的にうるせーよと思ってしまうのですが、人生その時その時色々で良いんじゃね?という映画だと思いました