サトシ

わたしは最悪。のサトシのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
3.8
ヨアキム・トリアー監督、レナーテ・レインスベ主演、ノルウェー・フランス・スウェーデン・デンマーク合作の恋愛ドラマ映画。ギャガ配給。R15+指定。
原題:The Worst Person in the World.

30歳という節目を迎えたユリヤ。これまでも進学、就職でいくつもの才能を無駄にしてきた彼女は、いまだ人生の方向性が定まらずにいた。年上の恋人アクセルはグラフィックノベル作家として成功し、最近しきりに結婚して子供が欲しいと身を固めたがっている。ある夜、招待されていないパーティに紛れ込んだユリヤは、そこで若く魅力的なアイヴィンに出会う。新しい恋愛に身をゆだねたユリヤは、そこに人生の新たな展望を見いだそうとする・・・。

【キャスト】
レナーテ・レインスベ:ユリヤ
アンデルシュ・ダニエルセン・リー:アクセル
ハーバート・ノードラム:アイヴィン

Amazonプライムで配信されていたので鑑賞。
出演している俳優がノルウェー人で聞き慣れない言語が新鮮です。
章でテーマが区切られておりこれから起こる出来事を予想でき心の準備ができる親切な構成です。
結婚したい子供が欲しい男性と、付き合いたいけど結婚、子供は今ではないという女性の想いや、出会いがあれば必ず別れもあるという人生がリアルに表現されていました。
不倫の境界線はどこにあるのかも考えが人それぞれ全く異なる事も頷け、ユリアとアイヴィンのやり取りがユニークでした。
ユリヤ演じるレナーテ・レインスベはフライヤーの笑顔が印象的ですが
冒頭から登場するドレス姿が綺麗です。喜怒哀楽の表情が素晴らしく、2021年第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で女優賞を受賞しているのも頷けます。
ある朝、ユリヤが電気を点けた途端に全ての時間が止まりアイヴィンに会いに行くシーンや、ユリヤがドラッグでラリってしまう映像の工夫も観ていて楽しいです。全てを映さなくてもストーリーが把握できるように映し出されており非常に分かり易かったです。
ユリヤがアクセルに別れを切り出したシーンは心が痛み、その後に再会した時にアイヴィンとの出会いを打ち明けたのは酷い仕打ちです。ユリヤはアイヴィンと上手くいくと思っていましたが、アクセルがその後の人生を見事に当てるのは鋭いです。アイヴィンはナイスガイでしたのでラストのシーンは本当に良かったです。
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