Sios

コンパートメントNo.6のSiosのレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
3.9
圧倒的に噛み合わない異文化交流。
文化人の受け売りとか旅の目的を問われた答えが、ロシアン労働者には全く通用しない。間と反応がたまらない。

モスクワから極北ムルマンスクへの寝台列車。訳あって一人乗車したフィンランド女子が、ヤバい眼光の労働者リョーハと同室に。
モスクワから離れるほど吹雪が吹き荒び、自我の心許なさが容赦なく晒されて凍えてくる感じ。極限の環境でリョーハの無邪気がじんわり刺さる。

遠ざかる渇いた恋人より、旅行の友はリョーハと酒に限る気がしてくる不思議。酒瓶やグラスを置く音と、筆圧は少し激しいけれど。
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