心温まるロードムービー。良作です。 出会うことのない二人が長距離列車で乗り合わせ、少しずつ心が通いあっていく。ありきたりの設定を補うに余りあるユーリー・ボリソフの演技力。食堂車でのシークエンスが素晴らしかった。住んでいる世界が交差しないことに気づいたのと同時に本気で好きになってしまったリョーハの戸惑い、名演技です。
長距離列車は人生のたとえですが、出会って瞬間でビビっと電気が走ることもあれば、短い出会いを繰り返しゆっくりわかり合うこともある。男女の関係でなくともそう。親しみやすくても心近寄れないこともある。そんな人生の出会いと別れを細やかに描いています。
極寒の最果てで、二人が子犬のように雪まみれになって遊ぶ姿が愛らしい。
吹雪の廃船上で「タイタニック」にたとえたリョーハの精一杯の愛。
友達以上恋人未満。いちばん心地よく素直に愛せる関係かもしれない。
列車の旅がしたくなりました。