【小狡い奴ほど反省する】
Netflixにて。初見はけっこう前で、よくできていると思ったが投稿、後回しにしていた。
再見して、ああ、着地が日和った感じで、炸裂手間で終わったな…と思い出した。
主演ダヌシュの、狡猾だが憎めない…破滅型なのに計算高いキャラ、ありきの物語で、映画の快楽が向かう先が、それとピタリ一致し盛り上がる前半が、どっちに転ぶかわからずワクワクする。
実際はロンドン内での、ギャングの狭き縄張り争いなのに、スケール豊かに感じられる仕立ても巧い。これはつくり手が豊かな手の内をもっているから、でありましょう。
が、後半、とても“良い話”になってゆくんですが…性悪説から性善説に、急に宗旨変えするような強引さがどうも、呑み込めない。
扱うテーマはとてもアクチュアルで、共感せざるを得ないし、ドキュメンタリーである『FLEE フリー』とまったく同じ様な挿話が出てきて、共時性に驚いたりもしたのですが。
こういう役回りのヒロインに、これを背負わせたのが、ちょっとズルいのかも。
とはいえ、完成度メチャ高な娯楽映画ではありますね。ネフリでここまでって、中々ないと思います。
<2022.6.26記>