Wacky55

かもめ食堂のWacky55のレビュー・感想・評価

かもめ食堂(2005年製作の映画)
4.0
荻上直子監督の名を馳せた代表作。フィンランドのヘルシンキの食堂を舞台に、3人の日本人女性と地元の人々とのゆったりと交流していく様子描いた作品。

総合評価: 4.0

脚本/演出: 4.0
ストーリー、流れは非常にシンプルで、大きな展開というのもあまりないのですが、それぞれのメインの登場人物の個性さを非常に丁寧に描かれていたり(どんなことがあってもポジティブに前向きに生きるサチエさん、真面目ではあるが、ちょっと人見知りでもあり、心配性で、露骨なことが嫌いなミドリさん、おっとりさんではあるものの、何かミステリアスで不思議なマサコさん)、フッと思わず笑ってしまう場面も(例: 食堂の前で、サチエさんとミドリさんを睨むおばさんの隣に銅像のように立つマサコさんの登場シーンやマサコさんがおにぎりを食べている時の周りの客の視線)いくつかあったり、そのうえ、いざこざや喧嘩シーンがあまりないというのもかなり良かったです。非常にほっこりとそして心を温かくさせてくれる作品でした。

演技: 4.5
やはりメインの3人の登場人物はさすがでしたね。小林聡美さん、何事にもポジティブに生きるサチエさんに完全に適していて、非常に良かったです。ミドリさんを演じた片桐はいりさん、片桐さんらしさ(表情や声のトーン)がここでも全開でしたね。マサコさんを演じたもたいまさこさん。今作のMVPです。なんといっても会話の場面での、”ふわっとした口調とおっとりさ”とミステリアスな表情と動きの独特なギャップ、そして会話の間の上手さ、さすがでしたね。やられてしまいました (笑)。

カメラワーク等: 3.7
ゆったりとそして心温まる物語なので、シンプルなカメラワークにしたのは妥当と言ってもいいでしょう!

編集: 3.9
カラグレがとても良かったですね!独特な北欧またはフィンランドの街並みの雰囲気と心温かい登場人物達の個性や心情をうまくスカイブルーとペールオレンジが見事にサポートしていてとても良かったです。強いというなら、料理シーンをもうちょっと洒落たEditing (例:ちょっと北欧と日本の雰囲気をmixした心温まるBMGの導入やモンタージュ)をすれば、さらに魅力的で面白い場面の一つになっていたのかなと思います。
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