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12ヶ月のカイのdarumaのレビュー・感想・評価

12ヶ月のカイ(2020年製作の映画)
4.0
ゆうばり映画祭のHulu配信にて。凄い…めっちゃクオリティ高い!!序盤から引き込まれた。相手はヒューマノイドだが普通の恋愛映画かと思いきや(それくらい映像綺麗だし女性受けする感じ)、そこはゆうばり、まさかのホラー味…後半はちょっと弱いかなと思ったけど、エンドロール(曲)まで含めて、商業作品と比較して全然遜色ないと思う。

とにかくカイがカッコよかった(そこか!笑)でもそこは恰好良くないとね…今はやりの(!?)落ち着いた、声を荒げない系男子。ヒューマノイドなので持ち主である主人公の言う事は何でも聞いてくれるし、とにかく彼女の気の悪くなるような事はしない。自分に感情があるのか…その葛藤部分もよかった。

主人公の彼女がまた素晴らしくて!とても自然な演技。
(出演者皆素晴らしかったんですが、特に。コーヒーショップの店員さんと階段で会話するシーンで、彼がちょっと崩れた感じがしたんですが、逆に彼女のほうは全編通してまったく崩れないな…!と思って感心してしまった)
中垣内彩加さん、憶えました。
気になったのでプロフィールを見てみたのですが、ミリオンジョー!(ドラマ)出てた…?そんなに大きな役じゃなかったのかな?横道世之介もありました。これはキャストが多そうかな?

ほかにもちょっと癖のある友達やいわゆる普通の感性の持ち主の人、彼女を取り巻く友人たちのキャラ造形も見事でした。ほんと居そうな人たちばかりだった。こういう所にリアリティがあると、より説得力が出ると思う。

ただ、やはり後半というか、そうしようとした動機がちょっと弱かった感は否めない(そこだけいまいち理解しづらかったというか、共感できなかった。逆に彼との関係性だけで走ったほうが理解できたかもしれない…)
逆にトンデモ要素無しでずっと行く姿も観てみたかったかも。
周囲との分断とか、どうなるのかな…?(興味が)
(それだとこの映画を制作した意味がないのかな?)

個人的には、(途中までは)これもアリじゃないか…?と思えてしまったので(今は形はいろいろだから、進化したら本当にあり得るのでは)、落ち着くところがまあ正しい観点なんだけど、「自己満足」という意味を問うているといえばそうなのかもしれない。

亀山睦実監督、次回作も観てみたいです。
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