刺激的な日常を欲している若い女教師（黒木玲奈）が、変態プレイを強要してくる覆面レイプ魔に狙われてしまう。凌辱の歓びを知らされた女教師の葛藤劇を描いている、日活ロマンポルノ。日本トップアート製作。暴刑はリンチと読む。

末期のスター女優・黒木玲奈が、子宮の疼きに翻弄されるエロエロ女教師を熱演。教え子にレイプされる白昼夢を職員室で視たり、セーラー服を着用して町中に繰り出したり、欲動に忠実な人間の生態がフィジカルに描かれる。

ヒロインを襲撃するレイプ魔は、アナル舐め、放尿プレイ、バイブ責めを嗜好しており、こちらもまた欲動に忠実な人間であることが示される。「アナル舐めろぉ～」などのセリフが気持ち悪くてサイコー。犯人の正体を明かさずにドラマ進行するところも醍醐味。

「優しいペニスよりも、意地悪なペニスが好きなのよ」「心が待ってくれても、体が待ってくれないのよ」などといった、ロマンポルノの総決算的な台詞が続々と登場。末期にして、林功監督らしからぬ（失礼）傑作が飛び出してくる、嬉しい誤算。

なんだこれ最高。林功ちゃんベストに入れます。昭五郎先生の連続暴行ぽさとかロマンポルノの好きな要素が散りばめられてて、そこに冷たいペニスを己で探す黒木玲奈さんのふてぶてしさと愚痴語り。登場人物全員狂ってるしヌッと出てくるしシンバル叩く猿がそこここの道端に。ヒー。女子高生役の六本木舞さん？も最高だ。名前、六本木舞！改名したい。50周年で作るべきはこのグレーのパーカーだな。刺繍なんて書いてあるんだろ。助監督石田和彦ってあの分銅の？

痴漢日記3観ようと思ったんだけどあれは真面目に正座して観ないといけなさそうなシリーズだから、やっぱり週末晩酌しながらさくっと観るなら林功。本作は60分切る短さで、しかも林功なわりに皆様のレビューの点数が高い。80年代後半の映画とは思えない古臭さは林功。女教師セーラー服の違和感、メンスの前にタンポン入れるという女の感覚ではありえない描写、レイプ魔のスケキヨ感に笑う。黒木玲奈って「赤い禁猟区 ハードコアの夜」に出てたギャルか。雰囲気が違いすぎてびっくり。長谷部安春リスペクト的なクラシック音楽×暴刑だけどやっぱり長谷部安春にはならない。林功なわりにキレはいいんだけど個人的にはあまりハマらず、こういうの観たいときは長谷部安春を観るべきで、林功にはやっぱ朴訥とした奇をてらわない感じでいてほしいなぁという感想。