「アネット」をきっかけにじわりじわりと聴いていたスパークス。
膨大な曲数を持つバンドなので知らない曲ばかりが登場する覚悟で観賞したものの、劇中は割と知ってる曲が多く、当時の背景も知れてとても楽しかった。
とはいえ、スパークスを完全に知る事は不可能だとも学んだ。
やっぱり対象者が生きているうちに作られ、本人からの話が聞けて、ちゃんと作品用に映像も撮られているドキュメンタリーは面白い。
死人に口なしの状態で、故人と親しかったマウントのようなインタビューや、対象者と何の縁もない専門家が勝手に解説するようなドキュメンタリーは大嫌いです!(貴重映像が流れる場合が多いから一応見るけど笑)
そして今回私はついに
スパークスの大ファンのレオスカラックス監督にスパークスの沼の淵に立たされ、本作のエドガーライト監督に沼の中へ引き摺り込まれ、晴れて!スパークスの沼入りを果たしました🎊
音だけでも面白いのに、このバンドにはあらゆるボーダーが無く、歌詞に耳を傾けると知性とユーモア、時には皮肉が溢れ、想像以上の奥深さに驚かされる。
特に私の脳に衝撃が走ったのは
「When Do I get to Sing "My Way"」。
タトゥーを入れる予定はないけど、
いつか入れたい言葉リストの3つ目に追加するレベルの衝撃。
「My Way」とはフランクシナトラの曲で、
我が愛しのシドヴィシャスがカバーも有名なのですが、誰が歌っても様になるような曲じゃないんです。
「My Way」の歌詞のように、
“私は私の道を歩んだ。”
と自信を持って言えるようになるには、私もまだまだ時間がかかりそう。
この曲を曲にするのが最高の着眼点だし、今のスパークスは「My way」を歌えるようになったんだから格好いいよなぁ…。
このドキュメンタリーは、
人生に気付きをくれてエンドロールまで楽しませてくれて私にはとても刺さる一本でした。