ピロシキ

春原さんのうたのピロシキのレビュー・感想・評価

春原さんのうた(2021年製作の映画)
4.1
おそろしいほど行間だらけ。たくさん詰め込めるはずの言葉は、風に吹かれて窓の外へ飛んでいってしまったのかもしれない。ただし「解釈は観た人それぞれで」という、突き放したような雰囲気は感じなかった。おじさんが流す涙、舞い戻ってきたハガキ、そして主人公が呟く「もう大丈夫だよ」の一言。それらによって、おぼろげではあるけれどもたしかに示されている事実があるからだろう。大切な人はもういない。でもなんとか生きてる。そして、これからもなんとかして生きていくのだ、と。

観てから2週間経ち、ぼんやり思ったことを今更ながらに書いてみる。杉田監督の過去作も今後機会があれば観ていきたい。いつか近い将来、「たしかあの時はコロナ禍だったもんね」なんて笑える日が来たときに。
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