トールキン

モガディシュ 脱出までの14日間のトールキンのレビュー・感想・評価

4.3
2021年の韓国映画No.1というのがめちゃくちゃ納得するような出来栄え。個人的にもまちがいなく2022年のマイベスト10に入る作品。

内戦地帯からの脱出劇というだけあってそれなりのスリルと緊張感を味わえるだろうと予想していたけど、遥かに上回る程のパニック映画だった。開始40分後くらいにその展開を迎え、そこからもう最後までずっとハラハラドキドキで固唾を飲んで見ていたし途中途中息をするのも苦しくなるくらいスクリーンに釘付けだった。自分がもし実際にこういう状況だったら、と何度も何度も思ったくらい臨場感がハンパない。

命の危険の恐怖も十分に感じたけど、それと同じくらいずっと内戦が続いているソマリアという国に対して複雑な悲しみみたいな感情も抱いてしまう。日常が非日常に一変し無差別に人が死んで、そして10歳くらいの子供が銃を携えながらタバコを咥えてるシーンがあったけど何とも言えないような感情を抱いてしまう。ソマリアではそんなことが日常だったりするのだろうか。
余談だけど、見ながら薄々思ってたけど、このすぐ数年後に実際にソマリアで起きたのがハリウッド映画「ブラックホークダウン」で描かれた出来事なんですね。

そして、この映画見た方なら分かって下さると思うけど最後の演出はそうくるかーって感じで一瞬で号泣しましたね。共に死地をくぐり抜けて互いに今後とも支え合いましょうってそんな簡単にいかないし、だとしても最後のあれは悲し過ぎると思う。キム・ユンソクとホ・ジュノの韓国二大ベテラン俳優同士のやり取りもまた良い。

どれだけこの映画が凄かったかって自分自身で分かるのが没入し過ぎて鑑賞後にドッと疲労感がきたってことです。
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