RYUYA

モガディシュ 脱出までの14日間のRYUYAのレビュー・感想・評価

4.0
絶対に相容れないであろう韓国と北朝鮮の大使館職員(とその家族たち)が、銃弾飛び交うソマリア内戦(1990)からの脱出に挑む...。

『パラサイト』以降、韓国はもう"普通"に国際的な映画をたくさん作っているが、また一個、山頂に旗を突き立てた感。今作に至っては、そもそも韓国本土とかほぼ出てこないし。人種も当たり前のように国際的。で、合作とかじゃなく韓国制作。すごい。『タクシー運転手』とかまでは、記者役のアメリカ人にやっぱりどこか違和感を感じてしまっていたけど、そういうのも無くなっている。たとえば日本の映画に他の人種の俳優が出ている時に感じる"仰天ニュースの再現VTR俳優感"みたいなものが、今の韓国映画には一切ない。やばい。多分韓国は、パラサイトで「自国印満天のものを世界に打ち出す」というフェーズは一旦終わったんだろうな。日本はワンテンポ遅れているから、今年とかがちょうど面白い邦画が持ち返してきたところだと感じている。でも、この『モガディッシュ』みたいな、ドラマとアクション共に充実した近代史の大作を撮れる日本人監督は、14日考えてみたけど浮かばなかった。脱出ならず。おつかれ。

ラストシーン、シビれました。
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