滝井椎野

異動辞令は音楽隊!の滝井椎野のレビュー・感想・評価

異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)
4.1
阿部寛作品に間違いなし。なんせ、こちらからすれば阿部寛が出ているだけで満足なのだから。さらに、学生時代吹奏楽部員だった私にとってはノスタルジーも感じられて良かった。
作中で追いかけることになる事件は、結構悲惨な事件で、阿部寛の役柄もなかなかに救いのない境遇にいるのだが、だからこそ音楽の持つ人と人をつなぐ力が強調されて良い。阿部寛が音楽にのめり込んでいく様は、遅れてやってきた青春味があり、一度それを経験してる身からすれば微笑ましい。なにより、バンドのメンバーが実際に楽器を演奏しているというのが凄い。特に私は学生時代アルトサックスをやっていたので贔屓目にみていた部分はあるが、担当が練習風景の中で曲のソロを練習していた場面なんかは感慨深い気持ちで観させてもらった。
最終的にすべての問題が解決したわけではないラストも、演奏の華やかさと、それぞれの人物たちの晴れやかな顔が相まってこれ以上ないほどの大団円に感じられて良かった。
是非、続編が観たい作品だった。
滝井椎野

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