ニコラス・ケイジがニコラス・ケイジを演じてるんだから愉しいに決まってるじゃんと思って観てみた。
監督との軽い下話みたいなランチの席でいきなり、今やってみせようか？ボストン訛りも練習したんだぜ？って迫真の演技を見せるニコラス・ケイジ。カウンセリングで「働きすぎは飽きられるってなんだよ、こっちは家族を養ってるんだ、うるせーよ」って歯を剥き出しにして憤慨するニコラス・ケイジ。金持ちの道楽に付き合わされてウンザリしながらも即興アクトで全力出して崖から飛び降りるニコラス・ケイジ・・・。
ニコラス・ケイジがニコラス・ケイジの素の姿を見せてますーの体で進んでた序盤はね、愉しかったです。ほんと。ニヤニヤ笑いながら観てた。
でも。
途中から陰謀に巻き込まれてＣＩＡに協力することになって・・・とヒッチコックばりのサスペンスになっちゃう。でも基本はコメディでニコケイ・オタクの大富豪とバディになってワチャワチャしたり、絶体絶命のピンチもお間抜けで完全にコントだったり。なんだろ、映画らしい完全なフィクションになってからは、フツーだなぁ大真面目なコメディだなぁって、あんまり萌えなかった。たぶんニコケイ・ファンなら小ネタ満載で笑えるし、それなりにスリリングなアクションもセルフパロディ感が漂って堪らん味わいになってたんだろなとか思ったけど。そっか自分はそこまでニコラス・ケイジが好きって訳でもなかったんだなと、どーでもいい自己覚知に至った。
ときどき出てくる若いニッキー（本人）は面白かったです。「お前はスターじゃなきゃダメなんだ！」って煽ってくる。ニコラス・ケイジのキレキレ演技はハリウッドの至宝だな。個人的にはジョニー・デップを役者に誘ってくれた人ってだけでこの人はエンジェル。
