だ

戦場のピアニストのだのレビュー・感想・評価

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
4.3
ユダヤ人のピアニストが死にものぐるいでドイツ軍から逃げ、生き抜く話。
何故か上品な雰囲気を損なわず、それでいてユダヤ人への迫害も綺麗事無しに包み隠さず描いている。ただ無情に、残酷に殺されていくユダヤ人、生産性のない者にも容赦なく、徹底した恐ろしさを見せつける。はっきりと描かれないが家族や自分を助けてくれた者、ほとんどが死んでいったことを暗に示す。隠れ家にあったピアノ、軽やかで美しい音色とともにシュピルマンの指がピアノの鍵盤の上で動く。ピアノの音色と音を立てることも出来ない暮らしとの対比がシュピルマンの苦しさを物語る。そしてヴィルム大尉の前でピアノを弾くシーン。何年もピアノを弾くことのできない状況下であったのにも関わらず、彼の感情をぶつけるかのようにピアノを弾き続ける。荒々しくも繊細なシュピルマンのピアノに魅了された。あっさりとしてるラストではあった。ユダヤ人迫害などテーマとしては重いものだったが素晴らしいと感じてしまったよ。
だ