新たな家族と幸福に暮らす弁護士が思春期にさしかかった前妻との間の息子を受け入れる。"親子間の心の距離"のストーリーで、主演のヒュー・ジャックマンの芝居がなにより暖かい。また本作品はフロリアン・ゼレール監督が『ファーザー(２０２０年)』に続き、ジブンの戯曲を映像化した家族三部作の第二弾にあたる。おもに心の問題を抱えた者たちやそうでない者も含め、人と人との会話が遮断されがちな社会や家庭において、凄く身近な事象やきっかけを切り取った映画に思える。つまり人間の負のレッテルや感情が前進する会話の妨げになってたり、対話の重要性や是非を投げ掛けてるようである。ローラ・ダーンやアンソニー・ホプキンスなど脇を固めるキャスト陣も豪華で実力派揃い。誰かに対して救おうと意識的に働かなければ、なにも変わらないコトを改めて実感した。
