マシュー•ヴォーン節炸裂。『007』や『MI』等の正統派諜報員モノとは趣を殊にする超級アクションスパイコメディー(?)。『スパイファミリー』を実写化したらこんな感じか？二転三転どころか四転五転する展開は観る者を飽きさせない。…が、潜入•二重スパイ•記憶改竄•洗脳•裏切り等々この手のジャンルによくある要素をこれでもかとばかりに詰め込み過ぎて少々とっ散らかり気味な気も。まぁ破綻はしてないんだけどね。
羽が生えたの如く舞い踊る極彩色ダンスデュオジェノサイドや原油リンク上めった切りスケーティングと漫画みたいな戦闘描写にリアル感は皆無だけどテンションMAX。この爽快感はマシュー•ヴォーンの映像構築センスとユルい世界観と大仰なSFXがあったればこそ。
反して、アーガイル(ヘンリー・カヴィル)及びアイデン(サム•ロックウェル)及びエリー(ブライス・ダラス・ハワード)3主人公のキャラが個人的にはあまりハマらなかった。イーサンやボンドの様なパーフェクトなスパイ慣れしていると笑いに大振りしていることを加味しても、チョイと地味っつーか強そうに見えないんだよね。アイデン殴られ過ぎ。劇中にも優秀なスパイは目立たないモノとの講釈はあるが、ここはやはり映画としてのスマートな格好良さが欲しかった。
注文が多くなってしまいましたが普通に面白い作品です。娯楽活劇を求めている人にはピッタリの痛快エンターテインメント。
マシューにしては血も少ないので家族鑑賞にもオススメ☆☆☆です(殺しまくってはいるけど…)。
