“小説が現実とリンクしてしまっている”という設定に対してどういう理由付けをしてくるのかなと思って観てたら、まさかの記憶喪失もので(そうきたか!)と驚いていたら、もう一段階記憶喪失が効いてる展開があって唸った。面白かった。
スローモーションの演出の出し方がマシュー・ボーン監督だなーって感じ。もっとガジェットが出るとスパイ物感を増せるような気はするけど、それはキングスマンと棲み分けを作ったのかなと思った。
ただ少し戦闘がこれ見よがしで、キングスマンのようなある種の清涼感は感じられない。現実のサム・ロックウェルと創作のヘンリー・ガヴィルが重なる演出は頻度と量が多く少々くどい。くどい演出の割に回想と説明はあっさりとしていてバランスが悪いなと思った。本当にヘンリー・ガヴィル(とジョン・シナ)は魅力的で求心性があるだけに、その良さを活かしきれているかというと疑問が残る感じ。あとラストシーンの意味は全く分からなかった。主人公の「養成学校時代に成績トップのスパイ」という設定もなんとなく薄さというか“Netflix感(配信感)”を感じてまう(これは多分俺が悪い)。
思うところはあるけど、総合的にすごく面白い映画だと思う!観て損は絶対ない良質なポップコーンムービー!私のスパイ物に対する要求値が高いだけ。