故郷を捨てるように上京し建設現場で働く宮嶋は、花屋に勤める望月双葉と出会い、やがて恋人同士となる。
平成から令和へと時代は移り変わっても、2人の穏やかな日常はずっと続くかに思えた。しかし住居の取り壊しや身近な人の死によって、彼らは変化を余儀なくされる。
けっこう暗めなトーンのストーリーだったな。
過去に何があったかは分からないけれど家族に対して無関心な宮嶋は仕事もお金が当たればなんでもいいみたいなとにかく未来に希望が無く絶望的な感じでいるが、一緒に暮らしている彼女はいる。
そんな宮嶋と一緒に暮らす双葉は、親の事を話したがらない様子や家が壊されるのに何も決めないことなど最近の宮嶋のことがいまいち理解できずにいた。
だが宮嶋の父親が死んで、6年ぶりに宮嶋の故郷に帰り、これまで変わらない生活を送っていたのが父親の死をきっかけに変わらなくない日々がほんのちょっとだけ変わろうとしていた。
やりたいこともない、今まで通りの生活が送れればそれでいい、そんなふうに毎日を送っていた宮嶋が父親が死んで海に散骨して久しぶりに会う旧人に会って、帰路に帰るバスの中で恋人双葉に「これからもずっと一緒に暮らそう」という自分の明確な意思を伝えた。
宮嶋が唯一言葉にした強い意思。
それに涙を流す双葉。
ずっとこういう言葉が聞きたかったんだよね。何考えてるか分からず、家を変えるタイミングで別れるかもとかよぎったときもあったかもしれないよね。でもあんなにズバッと言い切ってくれて嬉しかったよね。分かる。
最後超良かったので、今までのどんよりした何も決めない男のくせに物分かりだけは良いみたいな中途半端男から見事に脱出した瞬間を見た感。まあそれ以上でもそれ以下でも無い笑
