#そんなの気にしない
カサンドラはLCC客室乗務員。フライトに次ぐフライトで雪と太陽を同じ日に見る根無草であると同時に、ひとたび地上に降りればパーティーとワンナイトラブを繰り返す享楽の日々。
そんな愛着もしがらみも切り捨てて生きる生態に迫るカメラが徐々に暴く、虚無と浮遊感の深層。
マニュアルやスケジュールに支配され、人生をも流されていきそうな彼女が、悲しみや悔恨と向き合い、自らの舵を握りなおすまでがドキュメンタリーも真っ青な密着度で紡がれる。
撮られる対象から、自撮りへと移行するラストは見事なまでの晴れやかさ。
全編をアデル・エグザルコプロスのナチュラルさが牽引する。