girosuke

ブレードランナー ファイナル・カットのgirosukeのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「午前十時の映画祭」で鑑賞。
午前九時から上映だったけどw
2020年のバック・トゥ・ザ・フューチャー三部作以来。
ホント、いい企画です。
劇場で集中して観られて大画面で劇場の音響で観ると、
「来てよかった」といつも思う。
さて、本題。
何十年もの間に様々なバージョンが作られ、
これも含めてその度に観てきたが、
世界観と流れに慣れすぎてて、
自分は今まで何を観てたのだろうと思う程に
ストーリーに惹き込まれた。
舞台は薄汚れた未来世界。
と、思ってたら2019年!過去の話だった!
と、劇場で観てた人達みんな思ったかな。

4年の命と定められ、ただの道具として扱われる
レプリカント。
感情が芽生えるように作られてるのに、
そんな設定で地獄を見せられる人生が待っていたら。
以前はロイ達の反乱を静めるデッカードの話として観てた気がする。
しかし、今回はもうロイ達がただ「生きたい」
その一心で行動してる事に感情移入して
デッカード邪魔すんなという目線。
ロイの仲間が1人、また1人と死んでいく。
皆、先もないのにゾーラは追われ、
プリスは戦って撃たれ絶命するスローシーンが
もう切なくて涙が。
レイチェルに軽々しくレプリカントだと教える
デッカード、後悔したものの時すでに遅し、
レイチェルも追われる身にしてしまう。
そして話をしたくて飲みに誘うものの振られる。
そんな時、リオンに襲われ間一髪でレイチェルに
救われるデッカード。
実はなぜあそこにレイチェルがいたのか、
デッカードが場所を話して誘ってたからだと
今回わかった。
ホント、今まで何観てたんだろ、忘れてるなあ。
その直前に「チンタオ」という無色透明のお酒をデッカードが買うのだけど、
それまでウィスキー派だったのになんでだろ?
と思ってたらその後、グラスに注ぎ少し飲んで、
口を離すと、リオンとの乱闘で口内を切っていて
その血がグラスに少し流れて揺らぐ。
多分だけど、その演出の為に無色透明のお酒を買う必要があったのかなと。
ロイはタイレルに会う為にレプリカント製造に関わる人達の元へ。
そして会った2人、そしてタイレルも殺害。
タイレル殺害は自分達の寿命を伸ばす事は不可能という事実に絶望しての事だと思ってたけど、
実はロイは今後、自分と同じ目にあうであろうレプリカントを二度と作らせなくする為だったのではと考えた。
そして、デッカードとの戦い。
ロイは執拗に追い詰め、デッカードに恐怖を味あわせる。
途中、ロイの体が寿命にむかい始め、
手がいうことを効かなくなり、
楔のようなものを突き刺して
痛みで長引かせようとする所も、
「ロイ!頑張ってくれ」と内心応援していた。
そして、間一髪でデッカードを救う。
この戦いを通して自らの最後の命の灯火で
デッカードに生の尊さを教え絶命する。
ロイはデッカードがレプリカントだと分かっていたのだろうと思う。
あのロイの名台詞
「思い出も時と共にやがて消える、
雨の中の涙のように。時が来た。」
自分が歳を重ね、幾人もの人との別れを
刻んできたからか、この言葉が
胸に刺さってデッカードと同じ顔してたはず。
その後のレイチェルとの会話、
中盤のあのショーン・ヤングが
本当に怯えていたとされるキスシーンでの会話が
そこに活きるのも素晴らしい。
ドアを閉めてエンドロール、やっぱりこれだな。

色々な映画を観てきたけど、ここまで視点が
変わった作品はなかったかも。

なんか変なもん落としていったぜ
girosuke

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