かぴばる

ブレードランナー ファイナル・カットのかぴばるのレビュー・感想・評価

4.3
 SF映画の金字塔。

 ハリソン・フォード主演ということでインディ・ジョーンズのようなアクション超大作を勝手に想像していたものの、意外と詩的で静かな映画だったので若干肩透かしを食らった。私が悪い。

 レプリカント(=AI)の感情、意識といった点に焦点が当てられているため、AI台頭時代の今見ても色褪せない。レプリカントの大ボス、ロイの最期などやはり出色。
 「40年前に考えられた40年後の未来」は、同時代の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と比較してもかなり暗く、退廃的で、なるほどこのディストピアめいた美しい映像美だけでも鑑賞の価値がある。やたらと大写しの芸妓さんがビルに投影されているが、現実だったらここは初音ミクであったろう。うん、初音ミク。

 レプリカントの人数だけは最後まで???となり、鑑賞後に解説を見て有名な脚本のミスであると知った。なんだか昔の映画のおおらかさを感じる。