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ブレードランナー ファイナル・カットのyuiのレビュー・感想・評価

4.7
ジャパン的かつ近未来的な街や、ゴシック的なイメージのシーンなど、魅力的な舞台で繰り広げられる物語は美しく、退廃美を感じさせる。
レプリカントと人間を隔つものは一体何だろうか――

機械に人の心を宿すのは人間のロマンでありただのエゴ。
使い果たされるだけの戦闘機械には、搭載するべきではなかったもの。
レプリカントたちは心を与えられた故の人間らしさと機械的な冷たさを感じさせ神聖な存在のようにも思える。
神や、天上の存在はいつでも人の姿をしている。
神が人を産み、次に人が神を生むとすれば、心という不完全なものと機械の完全さ、全ての可能性を持つ彼らこそが全能の神となりうるのだろう。
そんな彼らを怖れる人間の姿こそ、神を怖れる人間の姿に重なるものではないだろうか。
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