三樹夫

最後の決闘裁判の三樹夫のネタバレレビュー・内容・結末

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

マルグリットが強姦されたというのを、夫の視線から、襲った奴の視点から、本人の視点から描く羅生門スタイル。羅生門スタイルとは言っているが、基本それぞれはそんな変わりなくて、襲った奴の視点から観てもこれレイプやんとなるし、男連中がいかに自分のこと都合よく考えてるかという差異あるぐらい。現代のことを中世に置き換えた作りで、登場人物の考え方が中世というよりはかなり現代寄り。やった時喜んでたもん、本当に嫌なら抵抗すればいいとか、私も昔そういうことあったけど私は我慢しましたという男性社会において都合よくふるまうババアとか、あなたあの人のことカッコいいって言ってたやんってことを言ってくる奴とか、現代におけるレイパーとセカンドレイパーの妄言を詰め込んだリドスコ先生の現代中世世界。カッコいいって言ってたやん女は、※ただしイケメンに限るっていうこれ以上ないぐらいに不快な考え方に通じる。女は顔さえ良けりゃ何されても許すんだろっていう、ミソジニー丸出しで心底気持ち悪い。顔さえ良けりゃ何されても許すってそんなわけないわ。

最終的に決闘で勝った方の言い分が正しいことになる、バカでゴミ(マット・デイモン)とクズでゴミ(アダム・ドライバー)の決闘という、マルグリットの生末を除けば両方とも相打ちで死んでほしいハードな決闘へなだれ込む。アダム・ドライバーの強姦しといて誇り高き闘士みたいなツラしたマントばさの手袋の拾い方とか、マット・デイモンの決闘に勝った後のマルグリットを巻き込んでの一礼とか、相変わらずどうしようもねぇゴミ共だが、決闘シーンは、斧強いというのと、鎖を使った有効戦術など、両方とも死んでほしいけど一発一発が重い手に汗握る見ごたえたっぷりの決闘シーンだった。映画史上かつてないぐらいの鎖の脅威っぷりで、鎖鎌の鎖部分っているのと思っていたのは猛省する。決闘の数年後、夫は死んだとなって笑顔で劇場を後にした。
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