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最後の決闘裁判の小本のレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
3.6
 シニカルで今日的なテーマによくぞ真っ向から向き合ったなと唸った。映像はあくまでオーソドックス且つ重厚な作り。現代的な語り口でクラシカルな物語を魅せた「DUNE」とは好対照な印象で、しかし僅かにこちらの余韻が優った。結局、真実を告発しても社会が変わらなければ告発者は孤独だ。彼女のラストの、諦念に満ちた表情と字幕のアンビバレンツが、未だ当たり前にあることで、多くの誤解と分断を呼んでいること、愛とエゴのバランスは恐らく誰しも永遠に課題であること、考えさせられた。
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