実に「高尚」「ご立派」「お高くとまった」映画だこと。実はこの史実自体は以前14世紀英仏百年戦争について調べ物をしていた頃に仕入れたうろ覚えの前知識があったんだけど。ていうか中世ヨーロッパが舞台って映画の素材自体としてどうなんだい。もちっと有名どころの人物だったり、魔法やドラゴン等のファンタジーでなくても多少の架空要素だったりが欲しくなるほど地味すぎるのよね。味付けが黒澤明の『羅生門』だと言われても。わざわざカラーでモノクロ映画を撮らんでも。別に万人受けしなくったっていいけれど。「私は分かるけどね」とドヤ顔、優越感、選民意識をくすぐる作戦なのだろうか。アカデミー賞審査員向けにせよ古い手だ。
