ノラネコの呑んで観るシネマ

群がりのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

群がり(2020年製作の映画)
3.2
Netflix。
フランス製の昆虫ホラー。
シングルマザーの主人公は、農場で食用イナゴの養殖に取り組むも、上手くいかない。
ある時血を与えてみると、途端に大繁殖。
だが彼女は、図らずも危険な肉食イナゴを爆誕させてしまうんだな。
設定だけを見ると、まるでロジャー・コーマン辺りのB級映画。
しかしイナゴ軍団大暴れとか、そっち系の要素も無くはないが、メインはあくまで人間ドラマ。
女性が一人で生計を立て、子育てすることの難しさが、彼女を追い込み、深みにはまってゆく。
中判以降は、主人公のメンタルが壊れていくサイコホラーの趣きだ。
狙いは分かるんだけど、早々に一線を越えちゃう主人公に全く感情移入できないのが辛い。
準主役の娘も娘でヒステリックで、唯一いい子の息子はドラマの中心におらず、最後まで作品世界に入れないまま終わった。
オチもちょっと都合良過ぎじゃないか。
まあ誰に寄り添うのかで言えば、これが正しいけど。