あれれ

カード・カウンターのあれれのネタバレレビュー・内容・結末

カード・カウンター(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

エモ過ぎて変な声出る。
最初は「この男は何者?」っていう虚無の生活を繰り返し、何かの贖罪中なんだなって軽い感じで見てたらよ。

そこに同じ罪を持っていた同僚は既に贖罪を自殺で終わらせ、その息子が父親の罪の犠牲者として現れる。
この息子の人生を立ち直らせたら自分の贖罪も終わるだろうか。っていう。

台詞も舞台もギャンブルも人々もほぼ全部ダブルミーニングが可能でワイの感受性大渋滞。
主人公の過去として語られる"尋問"は、Netflixの「ターニング・ポイント」っていう9.11のドキュメンタリーで知っていたので嫌な記憶を思い出しながらの鑑賞。

ギャンブル生活なのは何の身にもならない日々そのものが贖罪感あるし、Mr.USAの存在とUSAコールも、あのギャンブル世界を正しく輝かしく楽しく生きている者がいる(主人公はあくまで余所者)対比と主人公の上司は裁かれなかったっていう国へのF的万歳の皮肉。(多分最初のvs Mr.USA戦はワザと負けてる)
こんな無意味な人生送りたいか?っていう彼の無言の説得。
夜のライトアップデートも彼の心に光が当たり出した瞬間の演出と合わせときながら、立ち直らせる決意を決めての尋問の凄味がすんごいし、カークに主人公の想いは伝わったよね!?ってかーらーのー、家の写真が届くまでの希望と絶望感よ。目。目の瞳孔が開いてく絶望すごい。

でもさ、カークからしてみたら「俺の問題は金で解決するそんなことじゃねえんだよ」っていう。ある意味主人公を見限って突撃する決意持たせちゃったよねえ。

試合の後半もMr.USAの眼球に光差してる彼と、主人公の顔には影だけ光の無い目。
モーテルのドア開け放って片付けもしないのは帰ってこないということ、かの家に向かう車にベッドライト以外は闇しかなく、闇の奥に行くってこと、それでも自分も一緒に罰を受けるぐらいに主人公はクソ真面目で、背中の言葉通りに生きたのに、こんな終わりかよっていう。
そんでも最後の面会にさ、情緒全部持ってかれるよね。
リンダー!
あれれ

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