滝井椎野

LAMB/ラムの滝井椎野のレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.6
はたして、どれだけの人がこれを観て 「なるほど……そういうことか!」と手を打つことができたのだろうか。
当初予想していたジャンルとは結構違っており、怪奇というよりは神秘といった言葉のほうが相応しいだろう作品。
全体的に感じられたのは、アダが人ならざるものであり、やはり人と相容れるものではなかったのだという無情感。この辺りは、スポーツ観戦やダンスのシーンなんかで特に感じられた。あの、家族が楽しんでいる中でアダはそれに楽しみを見出だせないでいる描写は、そもそもの性質の違いが出ていて良かったのではないだろうか。逆にドラムに興味を持つ様子は、アダや禁忌の存在の内面を探るための重要なポイントになるのではないだろうか。

しかし、最後の畳み掛けは凄かった……。あの羊おじさんのゴツさたるや。その登場には思わず笑ってしまった。
滝井椎野

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