samyurai

LAMB/ラムのsamyuraiのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.8
己の幸せのために誰かを不幸にする罪と罰。

この作品は、どの登場人物(動物)に感情移入するかで、自分の価値観や尺度の現在地が分かる、そういうポジション。

動物愛護主義をもって、ペットの殺処分へは抵抗を示すものの、鳥インフルエンザに罹って大量殺処分される家畜の鶏へは無関心だったり。命の軽重とは何か。命を奪い合う者同士に等価は成り立ち得るのか。身勝手な愛情が狂気に変わる時、救われるのは誰なのか。

薄っぺらい多様性の礼賛が、新しい犠牲者を生み出す。

不可解な恐怖で象る愛の道しるべ。