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LAMB/ラムのblacknessfallのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.4
うろ覚えなんだけど『羊たちの沈黙』でレクターがキリスト教礼拝堂の崩落事故を調べるのが趣味で、神の家で何故人が死ぬのか?という不条理から神の不在を考察してるって設定だかセリフがあった気がするんだよな。
政府が完全放置に振り切ったせいで初詣後にコロナ発症してる人がたくさんいるよね。
これもレクターが言うとこの神の不在の証拠だと思うんだよ。毎年、律儀に同じ神社に⛩️に詣でてるおれまで初詣後にコロナになったわけだしさ、、新年早々悲惨だったよ、、🥺

お陰で隔離期間というロングバケーションを貰ったので忙しかったらスルーしているちょっと毛色の変わった本作を観たりできたから、そこは良しとするか。

ある夫婦の所有する牧場の羊🐏が羊と人間の合の子のように不思議な個体🐏を産む。子供を失い失意にあった夫婦はその個体🐏を自分の子供として育て始める。
それを契機に夫婦間の不信、夫の弟の兄嫁への禁断の想い等、各々の心の澱が臨界点に達して、そこに思わぬ結末が…

田舎の閉鎖空間での親族間の愛憎劇にミステリアスなモンスターを絡めた怪作で、モンスター映画より心理劇の趣が強い。最後の方まで派手なことは起こらないけど、何か起きそうな雰囲気と興味の喚起の演出がうまいから地味だなぁと思いながら飽きさせない。
場所も人間達も虚ろで不安であり、それを景観と気候と表現するのが巧みだった。本作の煮え切らない不穏さを象徴するように曇天を多用し、そこで何とも脆く不穏な佇まいの人間達の危うい行動、どんな破綻が待っているんだろうという興味が強くなり退屈せずに観れた。

そして、人間達に興味を惹き付けて置いての合の子🐏の思わぬ秘密が明かされるラストは衝撃的だった。もう、ほとんど合の子🐏に興味が無くなってたとこに、「そう言えば、こいつ🐏、何なんだろう?」て疑問に回答らしきものを提示されて意表を突かれた笑
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