みむさん

ガール・イン・ザ・ベースメントのみむさんのレビュー・感想・評価

3.5
映画「ルーム」の原作小説の着想元になったフリッツル事件(2008年にオーストリアで発覚した実際の事件)の映画化。
実の娘を監禁し性的暴行し子供を産ませて20年以上地下室にそのまま閉じ込めていたって。

これはかなりキツい話、胸糞不快系だが実際にあった話ってのが衝撃。あのとんでもない父親は怪物と呼ばれたそうだがそりゃそうだ。

18歳で監禁されて20年だと38歳、事件がなければ人として成長し社会や世界をたくさん知る時期を外の世界を観ることなく何も事情を知らない子供たちと過ごす。
気が狂いそうな話、子供たちがいたのが幸いだった?と一瞬思ってしまいそうだが、彼らが成長して出自と母の過去を知った時を想像したら苦しくなるどころの話ではなかった。残酷で悲痛。

小説&映画「ルーム」はあくまでこの事件から着想を得た話で特殊な環境を生き抜いた母子の物語なので、出自を知らない子供視点で閉じ込められた母と息子の絆と外に出てからの困難を描いているが、こちらは監禁されるに至るまでと外に出るまでを事件に基づき生々しく描いていてかなり見るのがしんどい。

恐ろしい。このトラウマを乗り越えるのは家族全員相当困難だと思うが、支え合える人がいてよかったと思う。

事件について検索してみるともっと胸糞だし外に出てあの最悪な父が捕まってからもいろいろ不快な言動ありで、とんでもない事件だったのだな…と知った。