元軍人のあの気概というか、現役軍人のような血の気の多さにはビビった。犠牲者とその遺族はもちろんだけど、戦争直後は英雄として称えられて、数十年立って犯罪責任を問われる彼らもまた戦争による被害者だと思う。
国家が責任を果たすというのがどういう結果であるべきなのか。賠償金は二の次で、第一は加害の歴史を認め、戦争に反対するという意識が国民に現れていなくてはいけないのでは。過去の植民地主義や戦争が現在も差別、偏見、迫害という形で現れているし、国民が戦争を自分事として捉えないと同じ事を繰り返すはず。BLMが世界的ムーブメントになったように、どの人種差別もあってはいけない、それがまた戦争につながるという認識をどれだけ持てるか。
被害者が、一方では加害者だった―だから人に言えたもんじゃないとか、"お互い様"ではない。
監督が言っていたように、韓国のベトナム戦争参戦時の犯罪と日本の東アジア侵略、植民地支配、性奴隷制などは同一視してはいけない。でも、日本に問いかけるものはあるはず。
米国の同盟国としてベトナム戦争に加担し、大量の民間人を虐殺した韓国軍。参戦軍人の孫が、当事者に寄り添いながらこのドキュメンタリーを作ったことは、拍手を送るべきだと思う。日本で上映されることは意義が大きい。