Kachi

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~のKachiのレビュー・感想・評価

3.6
都道府県ネタを映画で本気でふざけてやると出来る最大級の作品

私は京都生まれ、神奈川育ちのため、ある程度両方のご当地ネタは分かるため、楽しむことはできた。

現代埼玉、フィクション埼玉、フィクション近畿の三つ巴で話が展開されるが、現代埼玉パートの役割はあくまでも「この茶番劇はフィクションである」ということを念押しすることにあるのだという感じ。

敢えて本作のテーマを壮大にまとめれば…
地域格差の是正の狼煙をあげた埼玉が、挙国一致体制を強固なものとするために西国へと遠征する。その遠征先で、生き別れの弟と再会を果たし、圧政者(大阪)に虐げられている市政の人々(滋賀、奈良、和歌山、京都の洛外…)を解放するべく奔走する。最後には、強権な政権は崩壊し、人々は戦後復興へと邁進する。再会した兄弟は、各々の責務を全うすべく誓いを立て、別れを告げた。埼玉は、水面下で存在感を高めており、着実に全国統一に向け暗躍を続けている。

ちなみに、私は京都洛中に家があり母から英才教育を施されたが、本作で描かれている京都はほんの一部に過ぎない。関西ご当地ネタを推すなら、もう少し埼玉パートは減らしても良かったかもしれない。

キングダムに続き、翔んで埼玉でも杏の演技が際立って良かった。不思議な魅力を持った役者であることを再確認させられた。

スコアはそこまで高く付けられないくらいに中身はなかったが、2時間飽きさせない工夫はエンドロールに至るまで施されており、半休の気晴らしで見るにはベストな作品だった。
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