みみずばれ

スワンソングのみみずばれのレビュー・感想・評価

スワンソング(2021年製作の映画)
3.8
いい話だった!!!
映画館出る時ずっと顔がニコニコしてしまった
エンドロールの最後まで素敵だった

老人ホームにいる
凋落した元地元の有名ヘアメイクのゲイ男性が
過去に断絶した友人の死化粧を依頼される話

苦々しい過去が現在という未来に
すっかり上書き更新されて
個人の記憶を最後は何で上書きするか
選ぶ話でした
ただし過去をすっぱり消し去るのではなくてね
上書き更新タイプの人は未来に
生きるって事だと思えた

パットの装飾アイテムがその比喩なのかな〜?

亡くなった人の帽子、誰も必要としないけど捨てられはしない物があの時のパットにはあるとマシなもので、それを携えて街に繰り出す。

今じゃ絶対に必要ない古いヘアスプレーを探す旅。(手元にあるもの使ってヘアメイクできる技術を持っているパットなのに!)

似合う人に着て欲しいと願われて、取り置かれていたグリーンのセットアップスーツ。古いかもしれないけど今でも使えるし似合う人には素晴らしく似合う。

勤めていたクラブの隅に追いやられた古いシャンデリアを引っ張り出して装ってみたら、すごくフィットしたけど結局ケガをした。

そして最後に友人の靴。それはパットの姿を完成させるのにとても役立った。

全部が最新のアイテムではなかったけど
パットは見事に着こなした。

必ず誰もが亡くなるけど
未来を生きる人の為に今を受け入れたら
未来の人が覚えていてくれるんじゃないかな〜
記憶される事が未来につながるんだよ

世紀の終わり、という映画を観た事あるけど
新しい世界を受け入れるゲイを描く
と言うのが似てる気がした

老人でも終わった人じゃなくて
現在進行形なのだと言う描き方が
良かった


なんとも幸せな映画だと思えた
ほんとにいいお話だった
みみずばれ

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