コジシン

女神の継承のコジシンのネタバレレビュー・内容・結末

女神の継承(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

レイトショーで見たからけっこう眠かったけど、わっと脅かすシーンで起こされて助かった。
基本的にジャンプスケア否定派だけどコンディションによっては受け入れられる。
本作によってほほ笑みの国タイのイメージは180度変わりました。
タイは暗黒呪術と巨大ロケット花火納棺の国です!

取り憑かれて目が見えなくなったミンがムカデみたいに触覚で探るような動きをしてたの最高!
序盤にデッカいムカデ(ヤスデ?)みたいなのの映像が挿入されるのも最高!

憑依されたミンが子供の靴とか変な人形とか拾ってきちゃって、それが全部良くないものに結びついてるっていうの平山夢明さんの小説みがあって最高!

タイの湿気の如く肌にまとわりつく厭さがあった。
映画館の暗闇がこわいと思ったのは久々なので大傑作ですよ!(上映中に横とかすごい気にしながら見てたw)

急に大きい音がなってワッとおどかすシーンはびっくりして椅子から飛び上がりそうになった。

風景を捉えた(主に遠景の)ショットは美しいのだが、そこにいる人の捉え方はもうちょっと頑張って欲しかった。写りの散漫さを隠すために手ブレした手持ちカメラの映像にしたように思えてしまった。
強大な自然の前に慌てふためく人を演出したかったのかもしれないが、これは単純に見づらかった。

序盤にミンが美味しそうなご飯をかわいく(デートっぽく)食べるシーンがあればもっと良かった。
ナ・ホンジンなら食事のディテールをもっとこだわるはずなのにって思ってしまった。

中盤に一箇所CGを使ったあるシーンが説明なく挿入されており、ゾッとして鳥肌が立ったので大変良かった。
CGを使ったとしてもドキュメンタリー形式のリアリティは損なわれないので、違和感を取り込むためにもっとCGに頼っても良かったと思う。(気づかないところで使われてるかもしれないが)

遠くから誰かが見てるシーンとかも説明せずにいるはずのないところに入れちゃえばいいと思う。
そうすると緊張感が画面を支配して観客が勝手に想像し出すので、よりこわくなると思う。
そこまでされるとこわ過ぎて最後まで見てられなくなるけど(笑)

期待が大きかったので厳しいことも言ってしまいましたが、超面白いホラーエンターテイメントです。
先ず持って「取り憑かれて発狂した人が一つの画面に大量に映る」という画が見れただけでお釣りが来る。

映画の一つの醍醐味である「見たくないものを見せる」という点において非常に信頼できる映画です。
こわいものが見たかったら「女神の継承」を見ろ!
コジシン

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