フリーアズアバード

アステロイド・シティのフリーアズアバードのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
3.8
ウェス作品中、最も難しかった。50年代アメリカのテレビ劇や、軍国主義に対する批判。更にはクィアな視点まで盛り込まれちゃったら、消化できずに不完全燃焼感のまま劇場を後にするしか無かったです。一方でクリエイティブは安定の秀逸さ。前作「フレンチ…」の緻密さ寄りではなくて、冒頭なんかは「ダージリン急行」を彷彿させる、全面視覚が踊るような楽しい映像は大好物だし、2軸の「劇中劇」な展開をカラーとモノクロで語り分けるなど、創りは変態レベルに素晴らしかった。そして1番ウケたのは、あの宇宙人を演じてるのがジェフゴールドブラムっていう、贅沢過ぎる意味不明なキャスティングでした。…肝心なお話は、何度か見直さないと良さが判らんです。