Violet

アステロイド・シティのVioletのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
3.9
御用達のユナイテッドシネマ札幌でも札幌シネマフロンティアでも上映されておらず、初⭐︎シアターキノに足を運びました!

ウェスにトムハンクスにスカヨハ!?
そんなの最高!と思って見る前からずーっと楽しみにしてました!!

舞台は1950年アメリカ。人々が豊かな日々を謳歌し、アメリカが最も輝いていたと言われる時代。宇宙開拓への夢も広がり、誰もが不可能なことなどないと信じていた。まさに、アメリカンドリームの世紀。

ウェス色彩全開の映像を見るだけでひとまず満足してしまう。
ウェス作品に惹かれるのは、映し出される映像がグリーンスクリーンをバックに撮影されたものではなく、「本物の空間」だからなんだろうな。

それにしてもスカヨハが終始美しすぎた…。見惚れてました🥺
あと宇宙人がポーズ撮るっぽいシーンで笑った!あのシュールさが良い〜!

劇中でオーギーが演出家に向かって「この芝居が理解できない」と言い、それに対して演出家は「いや、別に理解できなくて良い。ただただストーリーを語り続けるのだ」と回答するのだけど、これは本作鑑賞者に対してのメッセージでもあるのかなと思った。

■ウェス&ジェイソン、コンラッド&ジョーンズ(パンフレットより引用)
ウェス・アンダーソン監督とジェイソン・シュワルツマンの付き合いは長い。ミュージシャンとして活躍していたシュワルツマンが『天才マックスの世界』(98) のオーディションを受けに来て以来だ。シュワルツマンはワッペンを付けた自作の制服を身につけて、名門プレップ・スクールで部活に夢中なあまり落ちこぼれる主人公マックスに成り切って登場し、アンダーソンを感動させた。これは『アステロイド・シティ』で、俳優ジョーンズ・ホールが戯曲家コンラッド・アープのもとに押しかけてオーギーを演じてみせた場面と重なる。アンダーソンにとってシュワルツマンは、ウェス・アンダーソン・ワールドを体現するのに惜しみない努力を払う、ある種の“メソッド・アクター”だったのだ。

■町山さん解説一部(パンフレットより引用)
アンダーソンは映画を作り始めた25歳の時、母を交通事故で、28歳の時、父をガンで亡くした。
「時がすべてを癒す、なんてことはない。せいぜいバンドエイドさ」とオーギーは言う。
「私たちは心の傷の深さを見せない」ミッジがオーギーに言う。「見せたくないから」
その傷をアンダーソンはバンドエイドの代わりにパステルカラーの画面と無表情な演技で隠すのだ。
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