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アステロイド・シティのEyesworthのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
4.6
【ポップカルチャーのパッチワーク】

ウェス・アンダーソン監督の持ち味全開の最新作。スカーレット・ヨハンソンやトム・ハンクス、ウィレム・デフォーと豪華キャスト。

〈あらすじ〉
1955年、アステロイド・シティ。隕石が残したクレーターを観光名所にしている町に、科学省を受賞した5人の天才的な子供とその家族が招待される。それぞれが悩みを抱え、受賞式が開かれようとする中、宇宙人が到来して人々は町に閉じこめられてしまう…

〈所感〉
『グランド・ブダペスト・ホテル』を見た後の読後感と一緒!!この映画は、、

1.『アステロイド・シティ』という舞台劇
2.その舞台劇を紹介するテレビ番組
3.そのテレビ番組の舞台裏

という三重構造になっている複雑なプロットのため、理解に苦しむが、ウェス・アンダーソンの持ち味たっぷりのトイでカラフルでシュールな独創的世界観にどっぷり没入できた。スカーレット・ヨハンソン一体今いくつなんだろ、相変わらず綺麗。トム・ハンクス唯一無二の渋い声と存在感。色鮮やかな印象で忘れてしまうが、平気で水爆実験を行っていたり、ファニーな造形の宇宙人が現れたり、子供たちの傍で淡々とえげつない事情が起こっている画が面白い。WOWOWで小山薫堂さんが語っていたが、意味深長な作品で、深くはまり込みすぎると溺れてしまうような内容で終始困惑した。すべてが何かのメタファー何じゃないかと深みに沈む。結局、浅瀬で程々に遊泳しているのが一番楽しいものだ。
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