ナツミオ

硫黄島からの手紙のナツミオのレビュー・感想・評価

硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)
4.0
WOWOW鑑賞
【特集・第二次世界大戦を振り返る】

劇場公開時、鑑賞。
その後数回以上は観ている名作。
過去、未レビュー、再鑑賞。
過去、イイネ!頂いた皆さん、ありがとうございます。

劇場で初めて観た時、ニノ(二宮和也)の演技に引き込まれた。

クリント・イーストウッドが「父親たちの星条旗」と同時期に監督。渡辺謙、二宮和也など日本の俳優陣を迎え、太平洋戦争で激戦の舞台となった硫黄島の戦いを鮮烈に描写した秀作。

受賞歴
・第79回(2006)アカデミー賞
音響編集賞受賞

・第64回ゴールデングローブ賞
最優秀外国語映画賞受賞

他多数の映画賞受賞

原題 『Letters from Iwo Jima』

2006年米作品141分
監督・製作 クリント・イーストウッド
製作 スティーヴン・スピルバーグ ロバート・ロレンツ 
原案 ポール・ハギス アイリス・ヤマシタ
原作 栗林忠道 吉田津由子(編)
『「玉砕総指揮官」の絵手紙』
脚本 アイリス・ヤマシタ
音楽 カイル・イーストウッド マイケル・スティーヴンス
撮影 トム・スターン 
出演 渡辺謙 二宮和也 伊原剛志 加瀬亮 中村獅童 裕木奈江 尾崎英二郎 

翻訳者 篠原有子

(WOWOW番組内容より)
日本の戦局が悪化した1944年6月、米国留学の経験を持つ日本陸軍きっての知将・栗林中将(渡辺)は、本土防衛の最後のとりででもある硫黄島を託され、指揮官として島へ。日米双方の圧倒的な戦力の差を考慮し、玉砕戦法では数日ともたないと考えた栗林は長期の持久戦へと持ち込むべく、島の各所にトンネルを掘り進めて地下の要塞を築く。1945年2月19日、米軍は島への上陸作戦を開始。36日間にも及ぶ激闘の日々が始まるが……。

(WOWOW解説より)
イーストウッドと製作を担当したスティーヴン・スピルバーグという2大巨匠が、硫黄島の戦いを米国側の視点から捉えたもう1本、「父親たちの星条旗」に続き、本作では同じ総力戦を日本側の視点から深く掘り下げて描写。圧倒的に不利な戦局にあって、優れた知性と人間味あふれるみごとな采配で、米軍相手に36日間にも及ぶ長期戦を戦い抜いた栗林役に「ラスト サムライ」の渡辺。またハリウッド映画でありながら、“嵐”の二宮和也、伊原剛志、加瀬亮ら日本の俳優陣が、日本語で日本の軍人・兵士の役を演じ切った意義も重要。

監督は硫黄島での激戦を日米双方から描き、単なる米軍万歳映画として描いていない。戦争映画以外でも淡々と描くところは
観るものに、その判断を委ねているようにも見える。

戦争に従軍した兵士たちに善者・悪者は無いことをイーストウッド 監督は伝えていると感じた。

以下ネタバレあり

・米軍に投稿した日本兵(加瀬亮)たちがその後虐殺される。

・日本兵の洞窟に落ちてきた米兵を無抵抗に銃剣で刺殺する。

・日本兵の陣地近くで負傷した若い米兵を西中佐(伊原剛志)が部下たちに手当を指示する。

・その若い米兵が亡くなり西中佐が、彼のポケットから母親からの手紙を読み上げ、部下たちがそれに聞き入り、自分たちが親に抱く思いは敵味方は関係ないと感じたように見える。

・1人で地雷を抱き隠れる中村獅童演じる海軍将校。結局、武勲は挙げられず米兵の捕虜となり生き残る皮肉。

スコア4.0 → 4.0 変わらず



【登場人物・キャスト】ネタバレあり
※は実名で登場する、実在した人物(階級は当時のもの)

・栗林忠道(くりばやし ただみち) ※
General Tadamichi Kuribayashi
- 渡辺謙
陸軍第109師団長 兼 小笠原兵団長。階級は陸軍中将。硫黄島守備隊に新しく着任した指揮官。

・西郷昇(さいごう のぼる)Saigo
- 二宮和也(嵐)
硫黄島守備隊に所属する兵士。階級は陸軍一等兵。応召兵であり、軍役に就く前は妻である花子とともにパン屋を営んでいた。

・西竹一(にし たけいち) ※
Baron Nishi
- 伊原剛志
戦車第26連隊長。階級は陸軍中佐。
1932年ロサンゼルスオリンピック馬術障害飛越競技の金メダリストでもあり、日本軍のみならず敵である米軍にも、「バロン西」として彼を知る人物が多くかなりの有名人である。

・清水洋一(しみず よういち)
Shimizu
- 加瀬亮
硫黄島に新しく派遣された兵士。
階級は陸軍上等兵。元憲兵。

・伊藤(いとう)Lieutenant Ito
- 中村獅童
海軍部隊の指揮官の1人。階級は海軍大尉。

・藤田正喜(ふじた まさき) ※
- 渡辺広
栗林中将副官。階級は 陸軍中尉。
常に栗林中将と行動を共にし、また彼の数少ない理解者でもある。

・谷田陸軍大尉
- 坂東工
西郷ら所属の機関銃中隊長

・野崎陸軍一等兵
- 松崎悠希

・樫原陸軍一等兵
- 山口貴史

・大久保陸軍中尉
- 尾崎英二郎

・花子 Hanako
- 裕木奈江
西郷の妻

・大杉海軍少将
- 阪上伸正

・小澤陸軍一等兵
- 安東生馬

・遠藤陸軍衛生伍長
- サニー斉藤

・大磯陸軍中佐
- 安部義広

・岩崎陸軍憲兵大尉
- 県敏哉
清水の憲兵時代の回想に出てくる上官

・足立陸軍大佐
- 戸田年治
摺鉢山地区指揮官

・林陸軍少将
- ケン・ケンセイ

・市丸利之助海軍少将 ※
- 長土居政史

・愛国婦人会の女性
- 志摩明子
西郷に召集令状を届けに来た役場の職員に同行

・海軍兵
- 諸澤和之

・日本兵
- アキラ・カネダ

・犬の飼い主の女性
- ブラック縁

・サム 
- ルーカス・エリオット
捕虜となる海兵隊員

・アメリカ陸軍将校
- マーク・モーゼス
栗林の回想シーンで登場

・上記の将校の妻
- ロクサーヌ・ハート

・火炎放射で焼かれる日本兵
- サイモン・リー(声はミチ・ヤマト)

・日本のジャーナリスト
- 樗沢憲昭


【映画賞】
・ナショナル・ボード・オブ・レビュー (NBR)…最優秀作品賞

・第32回ロサンゼルス映画批評家協会賞…最優秀作品賞

・アメリカ映画協会賞…作品賞トップ10

・サウスイースタン映画批評家協会賞…
作品賞第2位

・ダラスフォートワース映画批評家協会賞…最優秀外国語映画賞 、作品賞第6位

・サンディエゴ映画批評家協会賞…
最優秀作品賞 、最優秀監督賞

・ラスベガス映画批評家協会賞…
作品賞トップ10

・フェニックス映画批評家協会賞…
最優秀外国語映画賞 、作品賞トップ10

・シカゴ映画批評家協会賞…
最優秀外国語映画賞

・AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)…特別賞

・ユタ映画批評家協会賞…
最優秀外国語映画賞

・カンザスシティ映画批評家協会賞…
最優秀外国語映画賞

・全米映画批評家協会賞…
作品賞第3位

・第12回クリティクス・チョイス・アワード…最優秀外国語映画賞

・ノーステキサス映画批評家協会賞…
最優秀外国語映画賞

・第64回ゴールデングローブ賞…
最優秀外国語映画賞

・第79回アカデミー賞…音響編集賞

・第31回日本アカデミー賞…
最優秀外国映画賞
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