えにし

都市とモードのビデオノート 4K レストア版のえにしのレビュー・感想・評価

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山本耀司。自身の美学に揺るぎない自信を持っているのが、彼の言葉の端々から伝わってくる。彼に限らず、カリスマと呼ばれる人たちはみな漏れなく自信を持っているし、その信念の高潔さに勝手に惹かれた者たちがフォロワーになるんだろう。泡の中の日本でつくられた大量生産→消費のムードに抗うように、オリジナルを追求し続ける。その姿勢に感化された監督も、自身のフラクタルを見つめる。山本は衣服に、ヴェンダースは映画に。自分のかけらを対象に落とし込むことを繰り返すという点において、ふたりは共鳴していた。
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