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GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版のsatoshiのレビュー・感想・評価

5.0
この作品を映画館で観れただけで100点の体験。非常に実存的な内容を持った作品で、問われていたのは「自己」とは。そして「人間」とはだったのだと思う。擬態化が進み、脳のみがオリジナルだったとして、「自分はオリジナルだ」と言えるのか。草薙素子の禅問答が繰り返される。

久しぶりに見返して気付いたのが、上記のテーマを連想させるモチーフが画面の至るところに映っている点。ダイビングのシーンはオープニングの「製造過程」を彷彿とさせるし、画面は何度も「モニター越し」の画面が映し出される。まるで見ている世界が「幻」だとでも言うように。

こんななんで、人形遣いが「生命」であるかどうかという点に、我々も納得しかけてしまう。「情報」から発生した唯一の「自我」を持つ存在は、確かに生命と言って遜色無いかもしれない。そんな彼と素子が融合を果たし、最後にはより高次の生命となる。そこに映っていたのは生命の樹であり、戦車の弾丸が走って頂点の「humins」に行き着くシーンは高次の生命の誕生を暗示していたんだなと今さら気付いた。
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