リョウ

ドーナツキングのリョウのレビュー・感想・評価

ドーナツキング(2020年製作の映画)
3.8
これぞアメリカンドリーム!
テッドというカンボジア人のハリウッド映画以上にハリウッド的な人生が今明らかになる。
この映画についてもアメリカのドーナツ業界についても何も知らなかったがとても面白かった。
さすがリドリースコット。これからはあなたのことを先生と呼ばせて頂きます。
何とアメリカのドーナツ店のうち90%以上はカンボジア人によって経営されているらしい。
しかし全ての始まりはたった1人のカンボジアから来た難民テッドという男によって作られたのだった。
当時カンボジアで起こった内戦の為テッドとその家族は亡命を余儀なくされていた。
お金もコネも何もない、まして英語なんてしゃべれないテッドがどうやって巨大ドーナツマーケットを作り上げたのか、どのようにして何世代ものカンボジア難民を救っていったのかが面白おかしく描かれている。
彼等は別に特別なことをしたわけではない、ともかく毎日休むことなく懸命に働いていただけなのだ。
そして同時にこの映画はアメリカの歴史へと繋がっていく。
ある大統領は叫ぶ。アメリカは移民によって生まれた国なんだと。まるでどこかの誰かさんに聞かせてあげたいセリフである。そこにはかつての寛大なアメリカの姿が映っていた。
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